お産を見直そう

自然なお産こそ赤ちゃんが望んでいるお産

まず最初に、頂いた手紙を紹介することにしましょう。


田中先生こんにちは。○○○○です。
9月13日に無事に元気な男の子を出産しました。

4月に初めてアシラムへ伺ってお灸をすえて頂き、それから先生には5月と出産直前の9月にお灸をして頂きました。
それから9日後に吹田のひらり助産院で、2,752gの男の子○○○を出産しました。

予定日ぴったり、産院について3時間のあっという間のお産でした。
12日の夜に、いつもより強めのお腹の張りがあり、半身浴をしても治まらないので、いよいよかと思いながら、三陰交、至陰に安産のお灸を自分ですえました。

いつも寝る前に母親にお灸をすえてもらっていたのですが、たまたまその日、母が早く就寝したので、自分ですえることとなりました。
意外と落ち着いていたのが自分でも驚きました。

不安というよりもドキドキ・ワクワクという気持ちでした。
安産のお灸から2時間以内には、かなり強い陣痛になり、産院に着いた時の子宮口4cm大から全開するまでは、経産婦並みの速さだったと比嘉先生も仰っていました。

お産は陣痛の痛みというか、その時の試練は辛かったですが、傍らで休まずずっと声を掛け続けてくれていた夫と、赤ちゃんと自分とのまさに共同作業だったと思います。
決して自分だけが辛い思いをしたという気持ちはありません。

このお産が家族の絆を作った第一歩になったと思います。
○○○は、1ヶ月で1kg体重も増え、よくお乳も飲んで、たくさん眠ってくれます。
私も赤ちゃんの世話は大変だけど、楽しんでやっています。
これも妊娠中からのお灸や、体創りの結果だと思います。

あの時期に前向きで、リラックスした日々を過ごせたからこそ、今を楽しめるのだと思います。
自然に毎日の楽しみ方を身につけられたのかも知れません。
寺子屋お産塾に出会えて本当に良かったです。

まだ始まったばかりの育児ですが、子供と一緒に私も夫も成長して、いい家族を作っていきたいと思います。
そしてこれからも体創りを続けて、前向きでシンプルな生活をしていきたいです。


 

現代医学の進歩は産科にも及び、そのお蔭で出産時の母親及び新生児の死亡率は飛躍的に低下しました。

しかし、 このような歓迎すべき成果があるにもかかわらず、 その一方では『お産を見直そう』と言う声が挙っています。
この矛盾しているように思える訴えの本意は、『自然なお産がしたい』という妊婦さんたちの熱い願いからである。

つまり、現代産科医療の行き過ぎた管理分娩には、多くの問題を含んでいると思われます。
この現状に疑問だらけのお産を経験した母親達や、妊産婦の立場からお産を考えている産科医、助産婦さんたちが異論を唱え、お産の原点に立ち戻って『より良いお産』の実現を目指し活動が始まっているのである。

何故なら、 お産とは『赤ちゃんが無事に誕生さえすればそれで善し』という一過性の問題ではなく、新生児の性格・体質形成や母親の産後の体調にも深く係わり、出産障害は子どもの精神や肉体に強い影響を与えることが、最新医学の研究からも次々と明らかになり始めているからである。

ところが、最新医学が実証した多くの研究成果は、すでに先人達は直感や長い歳月を掛けた観察から見抜いていたのである。
そして、胎生期の大切さお産のあり方三つ児の魂百までと喝破して、その重要さまでを指摘すると共に、胎教や安産が可能となる方法、幼児治療に至るまで、実に多くの知恵を具体的に実践方法までを残してくれているのである。

これ等の素晴らしい知恵を知って実践してもらうと同時に、現代産科医療の恩恵を冷静に受け止めて判断する態度こそが大切なのだと考えます。

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では、どのようなお産を目指すべきなのだろう?
私は自然なお産こそが最善と思っていますが、その根拠はお産は生理的な現象という単純明快な理由です。
しかし、自然分娩という言葉が見聞される昨今、どのようなお産が自然な分娩なのか明確にする事は大切だと考えています。

鍼灸医療という世界に身を置いているが故か、常識が一般的な認識に過ぎず正しいとは限らない事を、医療の分野で実感することが多いことも事実である。
お産に限定して考えてみましょう。

お産は、ほとんどの場合生理的な営みとして進むものですが、危険を伴うケ-スがあるのも事実である。
そのため、自分のお産がスム-ズにいくのか、困難かを妊婦さん自身が判断出来ないために、お産は奇妙なものになってきたのではないだろうか。

私が自然なお産を最善とする理由は、人知を超えた大いなる力が働くからである。
つまり、赤ちゃんは狭い産道を通る時、回転しながら産まれてくるのは、その方法がベストであることを知っているからである。
けれども、赤ちゃん自身はそのことを学習によって学んだ訳でもなく、練習を繰り返し身に付けた能力ではありません。

お産はどうあるべきかは、お産の主役である赤ちゃんが、望んでいるようにしてあげること、それに尽きると思っている。それこそが自然分娩の真の姿でしょう。

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では、赤ちゃんはどんな処で、どのように産まれたいのでしょう?
その解答を求める時、受精卵からお産の日まで過ごした環境を考えてあげれば、見つけることが出来る筈である。

赤ちゃんを迎えてあげるのは、暖かくて、静かで、薄暗い環境こそが、最も適しているはずである。
また、どのように産まれたいのか?という解答は、赤ちゃんが産まれ易い状態の分娩姿勢を考慮して、赤ちゃん自身がすべきことを邪魔しないことである。

羊水の中で水棲生活を過していた赤ちゃんには産まれる時にしなければならないことがある。
それは、新たな大気の世界に旅立つには、肺液の排出をしなければなりません。
そのため、お産が始まり顔を出した時、一服するかのようにお産を中断し、口や鼻から肺液を出して、その後再び、大気の世界への誕生に向かって力の限り頑張り始めるのである。

つまり、お産の全てを熟知している赤ちゃんの能力を信頼する事こそが、素晴らしいお産を可能にするのである。
私が【お産は、胎教の総仕上げである】と繰り返すのは、見事なお産を成し遂げるために必要な全てのノウハウを赤ちゃん自身が胎生期に修得するからであり、その結果、お産の監督であり、主役を勤めることが出来ると認識すべきなのだ。

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更には、お産には素晴らしい教えが黙示されていると私は思っている。
それは、赤ちゃんがお産に必要な全ての能力を修得し、名監督であり最高の主役の力量を保持しているにも拘わらず、お母さんの応援を望んでいるという事実である。

私はこれこそ、人は独りで生きるのではなく、多くの助けを得てこの世を生きていくという、人生の過ごし方を暗示しているように思えるのである。

だからこそ、自然分娩のキーワードはお産の主役と応援者の《絆》が絶対条件だと確信しているのであり、先人達は親子の絆を構築するために胎教を重視したのであろう。

先人達は【三陰交】に小灸をするように薦めているが、妊婦さんは、
『お灸をすえるとお腹の赤ちゃんが動くんです。それがとても嬉しそうなんです。』
と、報告してくれる人がいます。

先人達の知恵には脱帽するばかりである。

 


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