貧血
お灸・梅醤番茶が効果的
最近は妊婦さんに限らず若い女性によく見受けられる症状です。そのためか本人は自覚症状がないにも拘わらず妊婦検診で貧血を指摘されるケースが多いそうである。
どの程度の比率で妊婦さんの貧血症があるのか判断しかねますが、注射や服薬を続けても改善しない人も少なくありません。
その様なケ-スでは是非お灸をされることをお勧めします。
お灸で貧血を改善
妊婦検診で貧血症と診断され造血剤を1ヶ月間服用。
次回の検診では服用したにも拘わらず貧血がひどくなっていた。以前当院で治療を受けたとき『妊娠したときには赤ちゃんのためにお灸をすると良い』と言われていたことを思い出して来院。
26週目であったので【三陰交】と【内関】にお灸をして、以後自宅で毎日続けるように指示した。1ヶ月後の検診で貧血は改善されていた。
それ以後も胎児のため、安産のために出産当日まで【三陰交】のお灸は継続してもらい、予定日の翌日に男の子を安産された。
この妊婦さんは予定日の1週間前からは、【至陰】のツボにも5壮ずつお灸をすえてもらった。お産がよりスムーズになるための配慮からです。
なお、15週未満の妊婦さんには【三陰交】へのお灸は、たとえ小灸といえども刺激が強すぎて流産する可能性があるため控えるほうがよい。そのようなケ-スでは梅生番茶を飲用すると良いでしょう。
梅醤番茶について
まず、梅醤番茶による主な効果を挙げると、
1、貧血。 2、胃腸の痛み。 3、生理痛。 4、低血圧。 5、疲労回復。 6、二日酔い。等々です。
梅醤番茶の作り方
- 中粒の梅干1個をすりつぶす。
- 醤油小匙 1.5~2杯。
- 根生姜のおろし汁2~3滴。
- (1) (2) (3)をかき混ぜる。
- 三年番茶を煮だし、熱いうちに(4)に入れる。
- 症状がひどければ、梅干と醤油の量を多めにして作る。
- 梅干・醤油・三年番茶は自然食品店で購入したものを使用。
- 出血がある時は不可。
先人達は私達に様々な英知を残してくれており、その効果は最先端の医療と比しても、決して見劣りするものではなく、体に則した優しい方法で見事な効果を挙げるのに、ただただ驚かれるでしょう。
梅醤番茶による症例を報告しましょう。
現在は鍼灸治療で対応していますので、梅醤番茶だけで対応することは、ありませんが、懐かしい症例です。『生理痛がひどく今日も会社を休んでいるのですが、鍼治療は効きますか?』と、治療後娘さんの生理痛について尋ねられたので『鎮痛剤を常用されるより、ずっと良いですよ』と、答えた。
帰宅後、娘さんから『鍼は恐いし、行くのも辛いですので我慢します』と、電話があった。私も相談された以上『そうですか』と、引き下がる訳にはいかない。それまでにも生理痛・貧血に梅醤番茶が著効を挙げるのを何度も経験していたから、お母さんにもう一度来院するように伝え、材料を渡し作り方を説明した。
数時間後『嘘のように治まりました』と、お礼の電話が届いた。
そのことがあって以来、鍼灸治療にも来院されるようになりました。結婚後も妊娠ライフでは、指示通り【三陰交】にお灸を続けられて、安産されるという梅醤番茶がもたらしてくれた印象に残っている症例です。