逆子
無理のない応援
逆子の原因には子宮の奇形や子宮筋腫・骨盤の狭窄などがありますが、それらの原因がないにもかかわらず逆子となることがあります。
胎児は最も出産が容易な頭位(正常)の位置をとるものであり、位置異常は8ヶ月(31週目)迄に自然転位する場合がほとんどです。
しかし、10ヶ月(36週目)になっても胎位異常の状態のケースが、3~5%程度あるといわれています。現在では安全度が最優先されるために、胎位異常の出産方法は帝王切開となるケースがほとんどのようですが、経膣分娩が可能なケースも当然あります。
骨盤位(逆子)が超音波検診で確認された時、一つの方法として鍼灸治療は副作用もなく一定の効果があるので、骨盤位(逆子)である事が分かった時から、1日も早く試みられる事を薦めます。是非、鍼灸院にてご相談して下さい。
推薦する理由を述べますと、
現代産科医療の基本的な考えが『最終的には殆どのケースでは自然に矯正されるものですから様子をみましょう。』と言う姿勢であり、積極的な方法としては、 徒手による矯正や妊婦体操の指導です。
ところが、鍼灸治療はそれらの方法よりも効果は大きいのです。現代産科医療の臨床現場に於いて、鍼灸医療に理解を示されている病院では骨盤位の妊婦さんに鍼灸治療をされている事実からも明らかです。
また、鍼灸治療を推薦するのは単に逆子に効果がある、という理由からだけではありません。逆子の状態の妊婦さんは下腹部の張りと冷感・下肢の冷えといった胎児にとっては好ましくない状態が、ほとんどの妊婦さんに見受けられるからであり、鍼灸治療はその改善をも図ることが可能だからです。
この体調改善はお産を目前にしている妊婦さんにとって、大切な事であり安産に繋がる必要条件であるからです。
治療法を具体的に説明すると、【三陰交】に灸頭鍼という治療法と【至陰】というツボに米粒の半分の小さなお灸を左右に3~10回ずつ行います。治療効果の判定は正常位が確認されたときである訳ですが、10回の鍼灸治療に於いても頭位転換がないケースでは、胎児にとって骨盤位が安全である何らかの理由が存在していると考えられます。
また、私の娘の友人が逆子であった為に、徒手による矯正を受け正常位に復位されたそうですが、その治療が『痛く・苦しく・大変だった』という感想を聞いて、『胎児に悪影響がないのかなぁ』と心配したそうです。
骨盤位から頭位に戻り安産
28週目の検診で骨盤位(逆子)であることが超音波検診で確認された。逆子はお灸をすれば直ると友人から聞き来院。
【三陰交】に灸頭鍼と【至陰】にお灸という治療を3回行った。三度目の治療の後に胎児が動いたのがはっきり自覚できたといい、次回の検査で正常位であることが確認された。
再度、逆子にならないように【三陰交】のお灸と半身浴の実践、もぐさカイロの腰部への貼付を指示した。
出産予定日の3日後に正常位の頭位で女の子を安産。
初めての妊娠は誰でも少しは不安な気持ちになるものです。そのため少しの異常でも尚更です。
最近の妊婦さんによくみられる症状に一つに、下腹部の異常な張りがあります。
そのために産婦人科医から張り止めの薬を処方してもらい服用している妊婦さんが多いのです。特に逆子になる妊婦さんはその症状が顕著です。
【三陰交】のお灸は張り止めの薬よりもズッと下腹部が柔らかくなり、張りがなくなるとお灸を実践した妊婦さんは口を揃えたように言われます。
同様の症例は多数ありますが、お灸による矯正の利点は妊婦さんの体に負担をかけないことです。復位させる方法としては徒手による矯正や体操などもありますが、いずれも苦痛が伴います。その違いが最もハッキリするのはお産の時です。
現在はより安全という主旨のためか、逆子というだけで帝王切開をする産科医院が多いようですが、逆子の状態でも経膣分娩でお産させる技術と多くの症例を挙げておられる産科医や助産婦さんなら【至陰】と【三陰交】にお灸をすえたが、矯正できずにお産を迎えたケースでも、逆子の状態であるにもかかわらずお産がスムーズに推移するのに驚かれるはずです。
妊婦さんの下腹部の張りがなくなることによって、胎児が骨盤位(逆子)の状態でも出産しやすいように微妙な動作が可能となるからでしょう。
逆子の治療法には忘れてならないことがあります。
それは冷えの問題です。次のようなメールを頂きました。紹介しましょう。
27週までずっと逆子でしたが、週末しかできなかった半身浴を毎日するようにしたら、今週(28週)正常に戻りました。
急に胎動も活発になりました。
そのかわり、睡眠時間が1時間減ってしまいましたが・・・。
仕事をしていると平日の夜は戦争のように時間が無いのです・・・。
8時に帰宅して、きちんとご飯を作って食べて、お灸&半身浴をすると、どうしても寝るのは12時過ぎになってしまいます。
その他にも逆子のケースでは、次のような運動も効果があります。
妊婦さんが四つんばいの正しいハイハイの動作で部屋いっぱいに大きな8の字を書くようにハイハイで歩く運動をすると、正常位に復する効果があります。
この運動は徒手による矯正のように痛くも無く、産科で指導されている逆子体操のように苦しくありません。疲れない程度に毎日何度も試みるようにします。
そして、もう一つ大切なことはお腹の赤ちゃんに語りかけることです。
『お母さんも冷えないように注意してハイハイの運動をするから、きちんと戻ってね』と、赤ちゃんに呼びかけることです。
《逆子ちゃんその後》という表題にて、きまさんから伝言板に書き込みを頂きました。
お腹の赤ちゃんにとっても、プレママにとっても、とても優しい方法です。
逆子の状態でお悩みの方は、是非、参照して下さい。
逆子ちゃんその後 / きまさん
Ayaさんの出産報告に感激しつつ・・・逆子ちゃん(28週時)その後のご報告をします.
(複臀位だったので「仮にこのままの胎位だったら自然分娩はナシ(単臀位なら可能)」とちょこっとおどかされ,逆立ちにトライしてました)
『分娩台よ,さようなら(大野明子)』を読まれた方はわかると思いますが,逆子ちゃんを治すために,大野先生は逆立ちを勧めています.「新逆子体操として特許を取りたいくらい効果的」とのことです.
私の場合,
1日目 : 晩1回
2日目 : 朝1回,晩2回
3日目 : 朝1回
計5回の逆立ちをしたところで赤ちゃんが動いて,横向きの胎位になったのがわかりました.その後は逆立ちせずに「今度は頭が下だよー」って話しながら様子をみていたら,半日ほどでゆっくりと頭位に戻ったのがわかりました.
妊娠8ヶ月にもなって,自力で逆立ちができる妊婦さんは多くないと思いますが,我が家の場合も,まず四つ這いの姿勢から夫の肩に足をかけて,もちあげてもらう方法でやりました.大野先生は「一般的な逆子体操は苦しいわりに効果が少ない」と書かれていて,私も病院で指導された「胸膝位」という体操は,5~10分やるにはかなり苦しいな~と思いました.それより,1回1分足らず逆立ちをして腰を振った方が,とにかく「これは効きそうー」でした.「3日もやればたいてい治る」とのことで,まさにそのとおりになりました.それに,なかなか楽しいです.
私からも是非オススメです.その後,30週,32週の検診で頭位と確認されました.お臍右上がすっかり足の定位置となって,元気に蹴ってくれてます.
逆子になってみて,実はいろいろ良かったかもーと感じることがありました.
1つめは,夫といろんな話ができたことです.今は,逆子だったら帝王切開を選択する病院が多いそうですが,でもそれにはやっぱり疑問がぬぐえません.逆子ちゃんでも,赤ちゃんはちゃんと「どう生まれてくるのが一番か」ということはわかっているはずなのに・・・
「昔だったら逆子ちゃんでもみんな自然にお産してたんだもんねー」
「でもだからって逆子の子は無事生まれなかったってことでもないよね」
「お産婆さんの力量とか,その時の状況によっては,赤ちゃんが助けられなかったり,母親を助けられなかったりしたこともあったんだろうね」
命の誕生にまつわる厳しさや,すごさをこんな風に話せたのは,良かったな~と思います.こんな話をしながら,2人で少しずつパパ&ママになっていくのかも・・
2つめは,赤ちゃんの動きにこれまで以上に敏感になれたように感じることです.母は「私はお腹が固い方だったし,赤ちゃんがどっち向いているかなんて,わからなかった」って,信じられないという口ぶりでした.私がこうして赤ちゃんの動きや向きがよくわかるのは,お腹が柔らかく妊娠が経過しているせいかもしれません.それはきっと,体創りの成果なんだなーって思います.
それに,お腹が柔らかいと何がいいかって,「胎動が気持ちいい」ことです.これは不思議です.赤ちゃんが気持ち良く動いてるんだなーと感じることで,私までとっても気持ちよくしてもらっているようです.
ps:
逆子を治すための至陰へのお灸の壮数を教えて頂いて,ことぶき先生ありがとうございました.しばらく逆立ちしても胎位が変わらなかったら,逆立ちプラスお灸作戦にパワーアップしようと思っていたら,このとおりあっさり治ってしまいました.でも,こうして「自分でやれることがいっぱいある」と思える安心感が,妊婦にとっては大事ですね.ありがとうございました.