夫婦指圧
最良の治療家とは??
私が鍼灸医療の世界に身を投じた理由は、私達夫婦にも赤ちゃんを待ち望んでいた期間があったからである。
悶々と苦しんでいる妻に何か出来ることはないだろうか? と考えを巡らしていた時に、ふとしたキッカケから指圧に関心を持った。それからは、素人ながら妻に指圧を始めたのである。
3ヶ月ほど続けた頃には指圧が益々面白くなり、何となくコツが分かり掛けてきた。
氷のように冷たかった足先は見事に改善して、月経不順・月経痛が解消していた。
指圧を始めて7ヶ月が過ぎようとした頃だった。待ち望んでいたこうのとりが舞い降りてくれた。9ヶ月後、京都では珍しくボタン雪が舞っている2月の深夜、長女が授かった。
1972年になるが、生まれたばかりの娘を抱いていた妻の笑顔は、今でもハッキリと思い浮かぶ最高の笑顔だった。その時私は東洋医学の世界に進もうと決意した。
そして、今も昔も家庭療法や自己ケアは大切であることを訴えていこうと思った。
指圧には自己指圧という素晴らしい方法があるので紹介しよう。
先人達は体験を基にして有効なツボを記した名家灸選釈義という書物があり、不妊症に効果があると指摘したツボは下腹部・臀部に多く、その意味から日々の入浴時に下腹部の自己指圧をお薦めしたい。
では、具体的に説明しましょう。
親指を除いた四指を揃え、左右を90度程度の角度に重ねて、示指・中指・環指の3本で、
- 両足の付け根部位を3カ所
- おへそ~恥骨までを3カ所
- その両側
以上の1~3をそれぞれ一押し、3~5秒のリズムで指圧する。
大事なことは、湯ぶねにつかりながら心地良い圧迫刺激を最良として、3分~5分間程度を目安に無理なく習慣になればベストでしょう。
指圧は決して素人療法ではない。刺激に対する相手の状態を尋ねながらの自己診断に基づく立派な家庭療法である。