月経血の観察
妊娠への確かな道しるべ
私は不妊を訴えて来院された人には問診時、月経の状態を必ず尋ねることにしている。
月経周期・日数・下血状況(下血の色、塊の有無)・始まり方、終わり方・月経痛の有無などである。
それには様々な理由があるが、一つには自分の体調を把握することにより、赤ちゃんを迎える確かな歩みを自覚してもらうことに繋がる。と考えるからである。
ところが不思議なことに、
「月経は、どのようですか?」と尋ねると、ほとんどの人は
「どうなんでしょう…」と、いった様子なのだ。
確かに、他人と比べるとどうなのか?
という一面はあるが、余りにも無関心過ぎる返答がほとんどである。
月経は妊娠と深く関係していることを誰もが承知していながら、関心を示されていないのが実状である。それは、どうしてなのだろう?
私の疑問は、問診を続けることによって解消した。
当院に来院されている人達が現代不妊治療を受診中、ドクターから月経血の様子について問診されたか?否か? を尋ねることによって明らかとなったのである。
「そのような問診は一切無かった。」と同様の言葉が返って来る。
現代不妊治療では月経血の状態を重視されていないことが、関心の薄い一因ではないか?と推測できたのだ。果たして無関心で良いのだろうか?
私はそのようには思わない。
月経の観察は、赤ちゃんを待ち望んでいる人にとって
《妊娠への確かな道しるべの一つだ》と、訴えている。
その根拠はこうのとりが舞い降りるときを願っている日々の過ごし方を、月経は教えてくれるからである。
《月経はどのような過ごし方を体は望んでいるのか?》を知る手掛かりの一つであり、こうのとりが喜んでくれる準備へと繋がるのである。
言い換えれば、月経の改善こそ不妊の8割を占めるといわれている機能性不妊症に対して、取り組まなければならない課題だと確信しているのだ。
けれども、お断わりしておくことがある。月経血の観察といえども、神経質になる必要は微塵もない。サラ、サラ~として鮮血に近い・どろ~んとして赤黒い。という程度でいいのである。
では、どうして月経血に関心を寄せるべきなのだろう?
それは月経をどのように認識すべきか? ということでもある。私見を述べてみよう。
「赤ちゃんを待ち望んでいます」という愁訴で来院された人達に、
「月経について、どのように理解されています?」と尋ねると、多くの人達は先ほど指摘したように余り関心を示されておらず、月経が始まると落胆されているという心理状況が窺がえるケースがほとんどである。
《月経は、受精卵が着床しなかった結果始まったもの》というニュアンスで受け留めているからであろう。
確かに荻野博士は《卵子が受精しなかったケースでは、排卵後2週間して月経が始まる》という有名な荻野学説を発表された。
しかし、私はこの荻野学説を誤解されているように思えて仕方がないのだ。
(誤解しているのは、私だけかも知れませんがねぇ・・)
理由を述べよう。
《月経は受精卵が着床しなかった結果始まるもの》という認識なら赤ちゃんを待ち望んでいる人には、月経が始まれば落胆される気持ちは充分理解出来る。
けれども、そのように受け留めるべきなのだろうか?
昔から我が国では、娘が初潮を迎えた時、親は赤飯を炊きお祝いする風習こそ、その答えを示していると思う。
その親の気持ちこそ、月経という機能の意味を表わしているのである。
つまり、月経は、
卵胞が育ち卵子へと成育し始めたことを意味すると認識すべきであり、体に備わっている《命が命を引継ぐためのプログラムをスタートさせた》と理解すべきなのである。
卵胞から卵子へと成熟した時、卵巣から生まれてきて精子と出会い受精卵となる。
月経とは、受精卵が胎盤を形成するに相応しい最良の子宮壁とする営みであり、新しい小さな命が着床するに相応しい環境への体に備わっている賢明な配慮である。だからこそ、卵胞が成育をはじめる時と同じくして始まるのである。
繰り返そう。
月経は、新しい小さな命に対する体の思いやり・賢明さの表われであり、その証拠には事欠かない。
私達の臓器には心臓・肺臓・肝臓・膵臓・腎臓などの実質臓器と胃・小腸・大腸・膀胱・胆嚢などの管腔臓器がある。その意味からすれば、子宮も管腔臓器といえる。
では、どうして子宮だけが、毎月新しい内壁に衣換えするのだろう?
どうして、胃や膀胱をはじめとする管腔臓器にはそのような配慮がないのだろう?
すべて新しい小さな命に対する、思いやりに他ならないのではないだろうか・・・。
この主張は決して観念論ではなく、以前寺子屋のコンテンツに設けていた《こうのとりの願い》の中で紹介していたように、妊娠された多くの人達の生の声でもある。寺子屋の伝言板に書き込んで頂いた人達の中から、美咲さんの書き込みを紹介しよう。
体質が変わり妊娠できました / 美咲さん
こちらの掲示板に出会い、半身浴を日課にし親不知をすぐ抜歯し、(絶食はなかなかできませんでしたが)早1年弱・・・。実感出来るくらい体質が変わり、結婚5年目にして初めて妊娠できました。
去年からの体調の変化です。
☆ とにかく汗をかくことのなかった私が、今年の初夏からは流れるような汗をかくことの爽快さを覚え、体がいつも軽く感じていました。
☆ 半身浴を日課にしてから、基礎体温の高温と低温がしっかりし
てきました。
☆ 生理痛も軽くなり、だらだらと1週間はあった生理が5日以内で、きれいに終わるようになりました。
☆ いつも手足、お腹があたたかく、クーラーの冷えが全く気になりません。
先週土曜日に胎嚢が確認され、今日でまだわずか5週4日目ですが出血もつわりもなく、順調かなと思います。
体創りをしていなかったら、こんなに早くこの日を迎えることは、できなかったと確信しています。
これからは「よいお産」が私の目標。
効果テキメン? / みやびさん
はじめまして!
結婚9年目、35歳、機能性不妊で通院中のみやびと申します。
現在、注射によるホルモン療法を受けているのですが、自分でも身体のために何か出来ることがあればと思い探していたところ、こちらのHPに出会いました。 よろしくおねがいしまーす。
体創りを始めて1回目の生理がきたのですが、月経血がとてもサラサラで色もキレイなので、びっくりしています。
毎日30分半身浴&10分下腹部指圧とせんねん灸を、ひと月ほど続けただけなのに、もう身体が応えてくれてるー*感激です。
数年前までは泣いて落ち込んでの毎日でしたが、今は赤ちゃんが私達のもとにやってきてくれることを、楽しみに待つ気持ちになれました。8年赤ちゃんが授からないことは、神様が私達に人として成長するために与えた宿題だと思っています。
そういえば子どもの頃、夏休みの宿題は8月31日にやるタイプだったなぁ~。
月経血の観察は、神経質になる必要は微塵もないと書きました。
そこで是非お薦めしたいのが、布ナプキンの使用です。
寺子屋伝言板《体創り実践ちゅう》への書き込みから。
Re: やっと来た生理 / ポレポレさん
あしつぼっ子さん、お久しぶりです。(*^^*)
布ナプキンいいですよね!!
使うまでは大丈夫?っていろいろ心配したけど、
いざ使い始めると、市販のナプキンなんて使う気がしなくなっちゃいました。
洗濯するのも何だか楽しいです。
> また次回、いい生理が来てくれるように、
> 体創り続けて行こっと♪
私もですゥ~。(^^)
布ナプキンはネットでも求めることが出来ます。
布ナプキンのサイトから。
(…こんな想い)
私は、布ナプキンはきっかけだと思っています。
この1枚の布をきっかけに、環境のこと、からだのこと、女であるとはどういうことか、などなど、さまざまな世界が見えてくることが、大事だと思っています。
布ナプキンを使った女性たちが心とからだの深いところで何かに気づくことができれば、新しい世界を見つけることができれば、と思います。
何かが変わるとしたら、きっとそんな本質的な気づきの積み重ねからなんじゃないかなあ、と思うのです。