月経前症候群の対応意義

スムーズに月経を迎えるために

月経前症候群(PMS)はホルモンとの因果関係で説明されているが、寺子屋独自(?)の視点からPMSを考察してみましょう。

寺子屋では、月経の観察は赤ちゃんを迎える確かな歩みの自覚に繋がると訴えているが、それでは、良い月経を迎えるために、体は何を願っているのか? という課題がある。

不妊を訴えて来院された人達の問診を通じて、私はその解答の一つをPMSの様々な症状の中から学ぶことが出来る筈だと思うようになった。
その理由を挙げる前に、訴えられる症状を列挙してみよう。

胸のはりと痛み・過食・便秘・頭痛・腰痛・肩こり・イライラ・憂鬱などを始めとした実に多様な症状である。
当然、それらの症状が全て発症する訳ではないが、顕著な人にとっては、どれも実に不快な症状である。

余談であるが、私の人体に関する独断と偏見には困ったものだが、30年近く鍼灸医療に携わっていると、それなりに見えて来ることがあるのは事実である。
それは、東洋医学が病気の原因として、七情の感情が内因となると教えているからである。

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本題に戻そう。
現代医学では、月経前症状群は黄体ホルモン(プロゲステロン・受精卵を着床させ妊娠を継続させる働き)と関係があるとされている。
つまり、子宮内膜をやわらかい状態にして、着床に適した状態とする黄体ホルモンと関係があると言われているのだ。

体の機能は、パーフェクトだと思っているが故に、黄体期に不快な症状に悩まされるという状況は、ホルモン分泌に何等かのアンバランスが体に発生していることを意味している。

更に、体は準備万端整えて、事態に備えるという性質があると考えている。だからこそ、月経前症候群が顕著に自覚される体調は、黄体期が生理的なレベルではないことをシグナルとして体は発信していると受け止めるべきだと考える。

また、その症状が肉体的な分野だけではなく、イライラ・憂鬱などを始めとした精神的な症状が含まれている事に私は関心を寄せている。
このことは、逆説的に対応することも可能であるという要素を含んでいるからである。

つまり、精神状態がホルモン分泌に大きな影響を与えることの証だ。と言えなくない。
寺子屋が赤ちゃんを待っている人達に訴えたいテーマもそこにあるのだ。

月経前症候群に悩まされている人達は、是非、自分に適した体づくりを見つけて、無理なく楽しく取り組んで頂きたいと願っている。
そして、本来の体調を取り戻して月経を迎えて頂きたいのである。

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尚、ひどい症状に悩んでいる方は体づくりをメインとして、鍼灸治療は適応しますので、サブとして受診されるのも適切な対応でしょう。


PS:鍼灸師の方々へ。

月経前症候群に悩まされている人達は実に多い。
是非、関心を寄せて頂いて適切な治療にて、応えて欲しいと願っています。
異常経脈は、胃経の実、肝経の実のケースが多いように感じている。
治療効果はほとんどのケースで著効する。

 


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