子宮頸管粘液の働き
その働きは卵子の目的成就
卵巣で成熟した卵子にはとても大切な目的がある。それは精子と巡り合い受精卵となり命を引継ぐことである。
その目的を成就するため、体には賢明なシステムが備わっているが、その一つが頸管粘液の分泌である。
寺子屋が《月経血の観察》《卵子の応援》と主張するのは、命という思いを基にして体と向き合うことにより、全ての営みが繋がっていることに気付いて欲しいからであり、更には、如何に体が賢明なシステムを有しているかを知って頂きたいからでもある。
卵子が成育する期間を【卵生期】という言葉で表現することによって、通常に使われている排卵という言葉が間違いであることも明らかとなり、お産の見直しまで関わってくるのである。では、批判を恐れず私見を述べてみよう。
広辞苑によると排卵とは、
『卵胞が成熟し、卵巣の表面で破れて卵が排出される現象。
卵は卵管を経て子宮に入る。人では月経後約二週間で排卵がおこり、受精・妊娠しないと排卵後二週間で月経が起き、次の卵胞の成熟が始まる。』と、説明されている。
同じく広辞苑で【排】について調べると、
1:おしひらくこと。おしのけ、しりぞけること。「排除」「排斥」
2:外へおしだすこと。「排水」「排泄」
3:ならべること。「排列」「按排(アンバイ)」とある。
つまり、卵が排出される現象との説明から2番目の意味が使われている。
果たしてそうだろうか?
真実の姿は、卵胞が成育し始めて2週間ほどで、オーラに包まれた一人前の成熟卵子となった時、卵巣から旅立つのである。決して排出されるものではなく、生まれて来るのだ。それは恰も、受精卵が子宮壁に着床して胎盤を形成し、時を得て赤ちゃんにまで進化し、自らが子宮から旅立った時に愛しい両親が待ち受けている状況と同じなのである。
それは、次のような生理的現象から明らかである。
子宮・卵管・膣は様々な微菌の侵襲から防禦するため酸性の状態で守られているが、卵子が成熟し卵巣から生まれて来る直前には、頸管粘液を分泌しアルカリ性の環境へと変えて卵子を待っている。それは、何故だろう?
答えは明確である。
卵子が受精卵となるために、酸性の環境に弱い精子のための配慮なのだ。このように命を引き継ごうとするシステムは、全てが繋がり合って作動しているのである。
だからこそ、先程のコ-ナ-で述べた《卵子の応援》が適切であるか?否か? という正解は、頸管粘液の分泌から推測することが可能なのである。
では、体には必要な全てのシステムが準備されているにも拘わらず、応援が必要なのだろう?
その理由は、現代文明社会が過去のどの時代よりも様々なストレスを体に与えているからである。
生命維持にとって根源的な空気は汚れているし、水も悪い。魚は養殖ものが出回り、農作物は科学肥料にハウス栽培。そして、車社会は歩くという行動を減らし、居住空間は冷暖房完備。加えて、社会の仕組みは精神的ストレスを益々生じさせているのが現状だろう。
けれども、私達の体はこのような状況下においても、何とか健康であり続けようと健気に頑張り続けているのである。
しかし、最善を尽くしている体にも限界があるだろう。
その表われの一つが、機能性不妊症・繋留流産の増加ではないだろうか・・・。
○頂いたメールから
田中先生、奈良県の○○です。こんにちは。
昨日、おりもの(頚管粘液)が増えてきているので、今日あたりがたぶん排卵日だと思います。(やっぱり、排卵日は気になります!)
大学病院での治療をしている間は、おりものが増えずに、病院の先生は誘発剤を打てば増えるからと言われて、何本も何本も休みの日まで打ってました。なのに、治療を休んで3周期目になりますが、前周期も今週期も、いい感じでおりものが増えて、自分でも不思議です。
思えば、病院での治療を始める前までは、きっちりおりものがあったように思います。
ストレスが大きかったのかもしれません。
今、病院での治療をお休みして、ほんとにリラックスできているのが解ります。基礎体温を辞めて熟睡できるようになりました。
測っているときは、毎晩熟睡できず、信じられないかもしれませんが、起きる度に真っ暗な中で測って、あーまた今回も駄目か、って落ち込んでばかりでした。
あの頃の自分は、かなり精神的に悪い状態だったと思います。
病院での先生の言葉にもすごく敏感になってしまって、
「こんだけ誘発剤打っても、ひとつしか卵ができないのはちょっと、、、」といわれると、もう私の卵巣は老化しているんじゃないかとか、あーやっぱり私って、妊娠できひん体なんかなー、と落ち込みました。
もっと、自分の体を信じてあげようと思います。
まだまだ、心も体も、寺子屋の皆さんには追いつけませんが、(特に心)大好きな散歩と半身浴、旦那さんの生姜灸で、なんとか心を穏やかにして過ごしたいと思います。